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井波未知子・鳩音薔薇夫「Layers」
2024年1月27日 - 2月24日 -
Kanda & Oliveira では、井波未知子と鳩音薔薇夫による二人展「Layers」を開催いたします。
井波未知子と鳩音薔薇夫は、ともにまだ他の人が発見していないものの見方を追求し、その形態もしくは手法においてシュルレアリスムを彷彿とさせるスタイルをもっています。
森に暮らす画家、鳩音薔薇夫は、劇場や舞台を思わせる構図で不完全な形の人間を描きます。鳩音の作品では、自然が賛美され、植物や昆虫とともに人の形が組み立てられ、薄く色が塗り重ねられています。鳩音にとって人の顔は印象が強すぎるため、描くときはいつも身近な記憶からたぐりよせています。にもかかわらず、描かれているひとの視線は見ているひとの視線と交わることがなく、優しく控えめにさえ感じます。
そして、井波未知子の作品では、見るものは黒、白、グレーの抽象的な形の深みに没入します。線を描いては消し、時には引っ掻いたり隠したりを繰り返すことで井波は形をつくっていきます。目に見えない存在である自然の力をもっと活かしたいという思いから、20年ほど前に始めた平面の作品では、雨粒を用いて描くことからはじめました。モノトーンの中に色彩感と、平面の中に立体感が表出してみえるのは、井波が織物や金属板を用いた立体作品から制作活動をはじめたことが影響していると考えられます。
井波未知子と鳩音薔薇夫が積み重ねている制作活動は、私たちが知っている世界や、まだ発見されていない未来、そしておそらくはその中間にある潜在意識のような世界と繋がっているだけでなく、普遍的な価値である自由の追求にも繋がっているのです。
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Barao Hanno, untitled, 2022
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Barao Hanno, untitled, 2022
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Barao Hanno, untitled, 2022
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Michiko Inami, そのままでいい, 2023
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Barao Hanno, untitled, around 2018
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Michiko Inami, あさもや, 2020
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Michiko Inami, 構成, 2021
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Barao Hanno, untitled, 2020
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品写真提供: むら写真事務所
展示風景写真提供: 高橋宗正
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