1948年東京都生まれ、東京都在住。長年大阪府に居住していた。
井波は、紙の上に黒、白、グレーのみで表された抽象的な造形で見るものを没入させる作品を生み出している。
足元の道路標識のかすれや梱包材を広げた形など、日常生活の中で何気なく目にする造形に触発され制作をしている。線を描いては消し描いては消し、ときには引っ掻いたり塗りつぶしたりを繰り返すことで自身の身体性を画面に投影している。目に見えない存在である自然の力をもっと活かしたいという思いから、雨粒を用いて線を形作ることもある。モノトーンの中に色彩感と、平面の中に立体感が表出してみえるのは、井波が織物や金属板を用いた立体作品から制作活動をはじめたことが影響している。
井波未知子は日本、韓国、イタリアで展覧会を開催。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科卒業。